九州上映ツアー(後半)

屋久島から鹿児島に戻った5月25日の夜は港と程近い、自然食レストラン「作楽(さら)」さんでの上映会。91年から営まれている玄米菜食のお店で、赤星さんご夫妻(写真右上)が温かく迎えてくださいました。

 

上映会には、お二人が応援する鹿児島県知事選に立候補予定の平良行雄さん(右写真)も来てくださいました。

初めてお会いしましたが、温和で芯の通った方だとお見受けしました。平良さんは全国で唯一稼働している鹿児島県の川内原発の即時停止を公約に掲げ、いのちを大切にする社会を目指されています。

 

熊本地震は、関東から九州に縦断する日本最大級の断層帯である「中央構造線」の一部が動いたためだとの地震学者からの指摘がありますが、その中央構造線の近くにあるのが川内原発であり、ほぼ真上にあるのが近く再稼働しようとしている愛媛県の伊方原発です。中央構造線ではないですが、静岡県の浜岡原発は東海地震の予想震源域の真上にあります。想定外の地震が起こる中、せめて想定できそうな地震への対応はしておくべきだと思います。

7月10日の参議院選挙と合わせて、とても重要な選択の時ですね。大切なご活動ありがとうございます!

翌26日は、宮崎県小林市の「イーヴィレッジ」さんでの上映会。

オーナーの菊池さん(左写真の僕の右)とはアースデイでブースがお隣だったことで話が弾み、上映会を開いてくださることになりました。

菊池さんらしい明るい雰囲気の店内には体や地球に優しいこだわりの商品が並び、ランチもとっても美味しかったです。

上映会には、ホズさんが駆けつけてくれ、西アフリカの伝統楽器・コラの素敵な音色を響かせてくれました。

翌27日は宮崎県都農町で行われたプレオープンの「ひょうたん市場」に参加させて頂きました。

ひょうたん市場とは、吉田ケンゴさん(右写真の僕の右)の想像から始まった、みんなで創造するいのちに沿った平和な市場です(ぜひ上のリンクをクリックして触れてみてください)。

ケンゴさんとは、山口県の田ノ浦(上関原発建設計画地)で出会いました。福井県の大飯原発再稼働の時のゲート前でも体を張って意思表示されていた姿が印象的です。3.11後の2年間は塞ぎ込んで真っ暗闇だったそうですが、今の文明の崩壊を心底感じた時に、新しい価値観で文明をつくり始めようと心が切り替わり、それが「ひょうたん市場」につながったそうです。

3.11でみんな揺り動かされて、それぞれに思い描く平和を試行錯誤しながらつくり始めたのだと思います。思いがこうして形になったのだと感慨深く、「ひょうたん市場」の始まりの時に映画もさせてもらえて嬉しかったです。

上映はケンゴさんのドームテントで、電源は太陽光で充電したバッテリーで。

数日前、この場所では北アメリカの先住民のクリー族の方たちが訪れ、集まった方たちと「ウーマンズセレモニー」という祈りの儀式が行われていました。目に見えるものだけでなく、目に見えないもの、大いなるものを感じながら歩んでいきたい。

すばらしい時空をありがとうございました!これからの「ひょうたん市場」の進化も楽しみです。

31日は熊本県菊池市のアンナプルナ農園・花鳥村へ。

正木さんご家族は、阿蘇の高原で、お茶づくりをしながら自然に寄り添い暮らされています。

正木高志さんの本「木を植えましょう」や「空とぶブッダ」などを読んで、いつかお会いしたいと思っていました。九州ツアーのことで、娘のラビさんと連絡を取らせてもらっていた頃に熊本地震は起きました。その後は大変な状況だったそうですが、今ではそれを乗り越えて、より大地に根ざした暮らしをされているようでした。地震を経験した摘み立ての新茶も頂きました。

 

近くの方たちを招いて小さな上映会を開いてくださいました。上映後は、ラビさんが「ウーマンズセレモニー」に参加した時の話をしてくれたり、みんなで語り合いました。屋久島で託された心のこもった支援物資はここでお渡しさせて頂きました。

翌日、正木高志さんが水源を守るために購入されたという約5haの上木護の廃村を案内してくださいました。

廃村をよみがえらせて、福島の子どもたちの保養の場、オルタナティブな教育の場、そして、韓国や中国など隣国の人たちと地球市民としてつながる場となる村にしようと力を注がれていて、そのビジョンにわくわくしました。

10月に、韓国や中国の人たちを迎えて平和をつくるための交流の場を持つ予定だそうで、このタイミングで再び九州を回れたらと思っています。

マイサ(高志)さん、チコさん、オトさん、ラビさん、皆さん、ありがとうございました!

その後、移動して佐賀県は唐津市呼子、友人のキャメロンことなつめちゃん宅での上映会。

田ノ浦で過ごした日々を振り返りながら(キャメロンのTシャツを勝手に着ていたことを責められながら←ビッグサイズだったので笑)、今ではお母さんとなり、存在がより大きく見えました(←ごめんなさい)。

 

町おこしをされている方など、地元の方たちが集まってくださいました。

考え方の違いを越えて、どんな人とも友達になれるのがキャメロンの魅力。田ノ浦にいた時も賛成・反対を越えてつながろうとしていた姿を思い出します。玄海原発から約6キロの地。これからの未来をみんなで考えていきたいですね。キャメロン、つりちゃん、ありがとう!

翌6月2日は、長崎県佐世保市の「南国食堂 地球屋」さんでの上映会。

お隣の「てとて舎」の方たちにもお力添え頂きました。

上映後の分かち合いでは、長崎県と佐世保市が計画する石木ダムの問題についても話題になりました。計画が持ち上がったのは半世紀前の1962年。ダムの必要性についても多くの疑問が残る上に、反対している住民を強制的に追いやって9haの土地を水没させようとしているのは見過ごせません。各地で起こっている構造の似た問題。これからは破壊から調和の時代へ、優しい世界へ向かいましょう。美しい地球を未来からの預かりものとして、僕たち一人一人が守り人となることが求められているように思います。皆さん、ありがとうございました!

翌3日は佐賀県鹿島市の「漬け蔵たぞう」さんでの上映会。創業百年を超える老舗の漬物店です。

蔵をイベントができる空間に改装した若手社員の裕一さん(左写真の真ん中)。発酵文化の良さを伝えたいと、社長で職人の田雜さんと鹿島産の野菜でつくった酢漬け「百年ピクルス」が人気を博しています。

 

上映会を主催してくださったよーちさん(写真の左)とは、祝島を通じて知り合いました。以前から原発問題についても熱心に取り組まれていました。今、ご夫婦で力を入れられているのは自然農で、案内して頂いた畑は美しく、僕も早く帰って畑に立ちたい気持ちになりました。よーちさんのブログはこちら→BIG FAMILY FARM」。

5日、大分県は国東半島の杵築市での上映会。

祝島を通じて知り合い、福島県の「やまなみ農場」でもお会いした中山田さつきさんが主催してくださいました。

国東半島は祝島で今年行われる神舞(かんまい)ゆかりの地。古くから海をまたいで交流が行われてきたのですね。

 

中山田さんも原発問題に熱心で、大分県と近い伊方原発(大分市の近いところで約45キロ)の運転差し止めを求める裁判を起こされようとしています。これまでにも、愛媛を中心とした全国の住民(原告は千人以上)や、広島の被爆者らによって運転差し止めの裁判が起こされていて、現在、審議中です。

田んぼをされている中山田さん、農繁期にも関わらず、ありがとうございました!

翌6日は、福岡県糸島市の「うみかえる」にて上映会。九州上映ツアーの最終日。アンナプルナ農園で出会ったオハイオさん(右写真の真ん中)が開いてくれました。

オハイオさんは韓国の方ですが日本語が流暢で深い話ができました。目指している方向が近く、とても嬉しい出会いでした。

韓国でも、3.11後に生き方を見直した人が多く、自然農やフリースクールを含めて持続可能な暮らしづくりが各地で盛んに行われている現状を聞き、希望を感じました。

上映会では、なつかしの再会があり、嬉しい出会い(中国の方とも)がありました。

みんなで繋がり、アジア・世界の平和を足元からつくっていきましょう!

九州からの帰り道。9日は、九州で出会ったガンさんこと岩田さん(右写真の一番右)が、広島県竹原市の「ビビルアオーラ」にて上映会を開いてくださいました。

会場はそれはそれは面白い、ガンさんがオーナーのアジャドさんたちと力を合わせて建てたドーム型のお家です。

もし自分が家をつくるなら、調和を表すようなまるい家が建てられないかと空想していたようなお家だったので、興味津々でした。

集まった方たちは家族のように仲が良く、その輪に入れて嬉しかったです。

今回の約1ヶ月の九州ツアーはご縁がつながり、九州全県14ヶ所(+広島)で上映会を行うことができました。九州の雄大な自然に触れながら、各地で素敵な方たちと再会し出会う濃い旅となりました。

映画が「いのちを生かし合う暮らし・世界」へのきっかけになれば嬉しいですし、そんな思いで動かれている方たちと沢山出会い、それぞれの表現方法で形にされているのを見て希望を感じました。10月にまた九州を回れたらと思っています。

これからも、みんなが笑って平和に暮らせる世界を描き、わくわくしながら歩んでいきましょう。ありがとうございました!

 

PS.天ぷらカーでの約4千キロの旅の約8割を廃油で走ることができました。途中、油を提供してくださった皆さん(下の写真の弥五郎ドーナツ)に感謝!

 

祝福(いのり)の海」

 

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