祝島の漁師 県漁協に意思表明

現状を知るために祝島に来ています。

 

映画の試写上映を終え、和歌山の家に戻ったところで今回の漁業補償金のことを知りました。本日の統一地方選挙の期日前投票に行き、原発や戦争で回る社会からの卒業を願い一票を投じました。


原発をやめられない社会のしわ寄せが祝島に及び続けています。

政府は原発回帰に進み、山口県政(知事)は2012年10月に期限が切れているはずの原発建設のための海の埋め立て免許の延命を続けています。

そして、山口県漁協は祝島の漁師(正組合員53人)に漁業補償金の受け取りを何度も迫ってきています。

 

原発問題が小さな島や町の問題に矮小化され、原発を進めるために都合のいい声が反映されるしくみはまだ根強く残っていると感じます。

僕たち一人一人がこのようなしくみに加担しないお金の使い方や、生き方を模索する必要があるのだと思います。

 

10日、祝島の漁師(正組合員)28名(過半数)は補償金を受け取らないことを県漁協に通知し、今回の総会の部会の開催禁止の仮処分申請を裁判所に行っています。

(祝島島民の会 http://touminnokai.main.jp/ 下に文を転載)

 

小さな切実な声が聞き入れられるよう、全国から関心を寄せてください。

 

 

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山口県漁業協同組合

 代表理事組合長 森友 信 様

 

上関原子力発電所の建設と運転に同意すると定めた契約に基づく漁業補償金を、私は受け取りません。また、漁業補償金についての総会の部会は不当であり開催を認められません。

 

 貴職におかれましては、ますますご清栄のことと存じます。

 さて、ご承知の通り私たちはこれまで33年間、上関原発の建設に反対してきました。上記の漁業補償金約108千万円についても受け取りを拒み続けています。初回支払い分の受け取りを迫られた2000年、祝島漁協(現祝島支店)は振りこまれた全額を返金し、受け取りを拒みました。受け取り手のないこの金は法務局に供託されました。2008年に支払われた残額についても祝島支店は受け取りを拒みましたが、貴組合は勝手に仮受けしました。20092月と20101月には、法務局に供託された金額を取り戻して受け取るよう貴組合が祝島支店に迫りましたが、祝島支店は受け取り拒否を決議しています。にもかかわらず20105月、貴組合はそれを回収し保管しました。

 20122月、上記漁業補償金の祝島分全額を一方的に預かる貴組合は、祝島支店にその受け取りを迫りました。祝島支店は重ねて受け取り拒否を決議し、「この補償金について祝島支店では今後二度と協議しない」と緊急動議で議決しています。しかし貴組合はそれも無視して20132月にも受け取りを迫り、議長の選出方法も議場にはからず強引に決めるという規約違反をしながら採決を行いました。そして受け取り賛成が初めて過半数になったとして、「祝島支店が漁業補償金の受け取りを決議」と主張されていますが、これは規約違反の決議であり認められません。翌3月に祝島支店の正組合員32名(過半数)および準組合員8名が、昨年2月にも正組合員27名(過半数)および准組合員10名が、この漁業補償金を受け取らない意思を貴組合に書面で申し入れております。それを顧みず貴組合は、「漁業補償金配分基準(案)」について総会の部会を開催し、配分手続きを粛々と進めようとしています。

 一連の強引なやり方は、祝島島民に混乱と対立を生んでいます。事前の説明を求めて繰り返し質問書を送っていますが、誠意ある対応を頂いておりません。

 以上のことから、2015414日の総会の部会の開催は認めることができない旨、および漁業補償金は一貫して受け取らない旨、改めてご通知いたします。

                      2015年(平成27年)410

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祝島から田ノ浦(原発計画地)を臨む↓

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コメント: 1
  • #1

    TSasa (木曜日, 16 4月 2015 00:00)

    東日本大震災に伴う福島第一原発事故の後も、祝島以外の上関町の方は、原発による町づくりを目指しているようです。
    以下の理由により、上関町以外の人の中に上関原発建設には反対する人が3.11以降増えるのは当然と考えます。

    1.埋立地に原発を建設することは危険が増大する

     2.祝島の住民の避難計画が明確でない

     3.原発事故は、交付金の恩恵がない地域(都市部のような基幹産業がない地域も)をも巻き添えにすること

    1.について
    埋立地巨大地震の際、液状化現象の危険があります。その為、埋立地に原発を建設すれば、巨大地震の際、液状化現象により発電所の機器が故障し、福島第一原子力発電所以上の大事故となる危険もあります。実際、2011.3.11の震災の際、震源地から250km以上離れた東京の埋め立て地で液状化が発生しました。
     東京都民として、あの液状化を見たら、埋立地に原発を建設することに対して、危険が増大すると考えるのは当然です。

    2.について
     祝島の人達は、船でしか島外に行けません。巨大地震の後には津波が来ることもありますが、どうやって避難するのでしょうか。

    3.について
    東京をはじめ大都市の住民が、3.11後の反原発ブームに乗っかって「原発反対、自然を守れ」といって、上関原発の反対運動に参加することに対しては、「都市の住民は原発がなくても基幹産業があるので道路や公共施設も充実しているが、上関は原発誘致に頼るしかない、もしそれでも反原発ならば代替産業の誘致をしてくれ」と反論するのは分かります。
    又、3.11以降は原発マネーがあるならば福島の被災者へ回せという雰囲気があることに対し、「福島の被災者に中には3.11前は交付金に依存して生活してきた双葉町、大熊町、富岡町の住民もいるではないか」といって抵抗を感じる方もいるでしょう。
    しかし、町外で原発反対の声を上げている人の中には、飯館村、南相馬市のように原発交付金なして生活してきたのに、福島第一原発事故で長期避難生活をしている人、あるいは身内や親友に飯館村、南相馬市の住民がいる方や、既存の原発の周辺地域(交付金なし)の住民で、もし福島第一原発を同じ事故があれば自分達の町も飯館村や南相馬市と同じ被害を受ける危険があると感じている方もいます。
     飯館村、南相馬市の住民や出身者で原発反対を訴える方達にも、「上関のまちづくりは原発誘致に頼るしかない、もしそれでも反原発ならば代替産業の誘致をしてくれ」と反論するのでしょうか。

 

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