今月頭から福島入りし、撮影をしています。
一昨日から東京にやって来たのはとても気になることがあるからです。それは、今国会で成立させようとしている「特定秘密保護法案」についてです。
「平成の治安維持法」であると言われるこの法案。
国民からの意見公募(パブリックコメント)では15日間で9万件を超える意見が寄せられ、約8割が反対であったようですが、政府はそれらの意見を汲むことなく、早急に法案成立を目指しています。26日にも衆議院を通過させようとしているようです。
この法案の怖いと思われるところは、使い方によっては、政府にとって都合の悪い情報が秘密にされ、それを知ろうとしたり、話し合ったりするだけで罪に問われたり、表現の自由が著しく制限される恐れがあることです。
「日本版NSC(国家安全保障会議)」を設立するための法案とセットで考えられていて、これは戦争の準備を整えるためであり、アメリカが起こす戦争に日本が積極的に参加できるようにするためのものだと思います。
自民党の「憲法改正草案」は同じく、国民主権や基本的人権の尊重、平和主義に反するものだと思いますが、憲法を変える代わりに、法律をつくることで達成しようとしているのではないでしょうか。(憲法については以前「われらのケンポウ」で書きました)
特定秘密保護法案の内容ですが、政府は秘密に指定する対象を ①防衛 ②外交 ③スパイ防止 ④テロ対策 としていますが、問題はその定義の範囲がとても広いことです。
「テロリズム」に対して3つの定義がされていて(第12条の2)、その一つに「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要するための活動」とあります。
このことから、例えば、原発やTPPなどの国策に反対するデモをするだけで、定義上は「テロリスト」と見なすことができ、テロ対策の名の下に身辺調査や、場合によっては処罰される可能性があるということです。また第24条に、共謀罪とあることから、話し合うだけで罪に問われる恐れもあります。条文には、「その他」の文字が多く使われており、拡大解釈を可能にしています。
この法案の危険性を全国行脚しながら訴えてきた山本太郎さんはすでに秘密だらけである現状を憂いています。福島原発の事故当時、放射性物質の拡散予想(SPEEDI)が隠され、多くの人たちが避けられるヒバクをしました。経産省が被災地の復興予算を使ってベトナムへの原発輸出に関する調査を行っていたことも明らかになりましたが、情報開示で出された資料は黒塗りであり、山本太郎さんが国会で追究していました。
原発や戦争は秘密のうちに進められるのだと思います。多くの人たちが声を上げることで、この法案が廃案になることを望みます。その動きは各地であり、一昨日、鳥越俊太郎さんを始め、テレビ、新聞、出版などメディアに携わる著名人たちにより、この法案の廃案を求める総決起集会が行われたので参加してきました(1番上の映像)。
その後、三宅洋平さん、山本太郎さん、弁護士の方たちがこの法案について学び語るイベントにも参加しました(2、3番目の映像)。
昨日、日比谷公園で行われた反対集会には約一万人が参加していたようです(下の映像)。国会までデモし、衆参両院の議員会館前で国会議員に請願書が提出されました(下の2枚目の写真は参議院の方です。集まっているのは反対を表明している議員さん)。党派を越えたつながり、そして僕たちも国会議員の方たちとつながり応援することが大切だと感じました。
今後どうなっていくか分かりませんが、学び行動していくしかないですね。
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祝島と福島と海に生きる人たちを追ったドキュメンタリー「祝福(いのり)の海」
<参考メモ>
「特定秘密保護法案」全文(東京新聞)
福島みずほさん(社民)
11/18 参議院(国家安全保障に関する特別委員会)での追究
山本太郎さん「政治家と官僚のクーデターだ」
(超党派議員による記者会見 外国特派員協会にて)
ビデオニュース・ドットコム
われわれは内容を知らされないまま裁かれることになる
インタビュー:海渡雄一氏(弁護士)
秘密保護法ができれば政府の違法行為を暴くことは不可能に
日米密約を暴いた西山太吉氏が法案を厳しく批判
インタビュー:西山太吉氏(元毎日新聞記者)
モーニングバード そもそも総研たまペディア(テレビ朝日)
「悪用されないと言い切れるんですか?」
「治安維持法から学ぶこと」
報道特集(TBS)
私たちの生活への影響は?
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