原発のゆくえ~おおい町議会編~

31日より、大飯原発が立地するおおい町3月議会が始まり、時岡町長が所信表明を行いました。

町長は「絶対に過酷事故を起こさない安全基準」を国に求め、運転再開をさせるための条件が整っていない考えを明らかにしました。 

個人的には、絶対に過酷事故を起こさないためには、原発をやめるしかないと思います。そのために、国の支援や全国の人たちの応援が必要だとも思います。

2日、7名の議員で構成される原発に特化した委員会である原子力発電対策特別委員会が開かれました。

始まりに松井委員長が突然「カメラの撮影は最初だけにする」と発表されましたが、事前に取材(カメラの撮影)許可を議会事務局に取っていたうえ、公開が原則であり、原発という内容からも公開されるべきと思い、反論させて頂きました。

 

広い部屋なのに椅子を12席に限ることや、まして狭い部屋に移ることの意味は、なるべく公開したくないということ以外に考えられません。公開の原則に相反します。今後はより開かれた場づくりをして頂きたいと思います。

 

今委員会では市民から出された3通の要請書について話し合われ、そのうちの1通「大飯原子力発電所3号機および4号機の再稼働に議会として同意しないことを求める要望書」趣旨採択されました以下は要請書と審議の書きおこしです)。国が安全を担保しない限りは再稼働は認めないということです。この要請書は22日の本会議に提出されます。

 

約2時間行われた委員会は市民からの要請書に対する審議に終始しました。感じたことは、国の安全基準を待つだけではなく、自ら問題を提起していってほしいということ。また、この要請書には、大飯原発3・4号機のストレステスト審査を保安院が密室で行ったことを批判しています。今後から原発についての議論はできる限り開かれた場で行ってほしいということです。自分も福島原発事故を起こした時代に生きる地球市民としてずっと関心を持ち続けていきます。

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「大飯原子力発電所3号機および4号機の再稼働に議会として同意しないことを求める要請書」

 

 貴職の日ごろから、町民の生活と安全を守る取り組みに敬意を表します。

 

 さて、昨年に関西電力()から原子力安全・保安院に提出されていた大飯原発3号機及び4号機のストレステストの評価書について、同院は、この結果を「妥当」として1月18日に開催された「ストレステストに係る意見聴取会」に評価案を提出しました。この「意見聴取会」は、公開原則を無視して市民を締め出し、直接の傍聴もモニタを通じた傍聴もない密室審議でした。しかも、三菱重工から献金を受け取っていた「利益相反」の3委員を解任しないばかりか、11人の委員中の半数にも満たないわずか4人のみの参加という状況でストレステストを妥当とする評価を出すのは「暴挙」であり、無効というべきです。

 

 今後、報道によれば、1月末にIAEA(国際原子力機関)の意見を経て、政府が政治判断をした後、各立地自治体に合意を取り付け、早ければ2月~3月頃には、大飯原発3・4号機を再稼働させようとしていることが明らかとなりました。

 

 私たちはこれを認めることはできません。 

 国会での「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」が事故原因究明のための調査を行っている最中で、その原因究明もできていないなか、事故原因さえ踏まえぬ根拠も基準もない現実と乖離した単なるシミュレーションにすぎないストレステストによって現存する原発を再稼働することに強く反対します。日本は地震活動期に入ったといわれています。この原発銀座若狭でひとたび福島第一原子力発電所の事故のような事態が起きれば、立地自治体であるおおい町はもちろん周辺自治体や近畿=琵琶湖の汚染をはじめ、京阪地域一帯が、高濃度の放射能で汚染されることは明らかです。 

 原子力発電所の再稼働については、少なくとも、福島原発事故の分析とそこから得た教訓に基づく適切な安全対策しか条件になりえないと考えます。このことは万人が認めるところでもありましょう。 

 

 自治体住民の生命と健康を守る義務を負う自治体議会として、東京電力福島原発事故の分析とそこから得た教訓に基づく適切な安全対策がとられるまで大飯原子力発電所3号機及び4号機の再稼働に同意しないことを表明するよう強く要請いたします。

 

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中塚委員:この文面に記載されているのは極めて当たり前の話で、我々としても当然、福島の事故の分析と検証を加えた暫定的安全基準というのが明確に示されないと当然、同意はできないところなんですけども、僕が申し上げたいのはあくまでも国の一元管理責任の中で、国が例えば電力事業者に半ば、その責任を押し付けるような形で物事を進めるのではなく、きちんとした国の責任を持ったところで判断をされると、それに加えて自治体が同意をするということですから、この文面の内容には記載されておりませんが、国の一元管理が第一義的にあるということと、それから当然、我々としても安全対策がきちんと取られない限りは当然、同意はできないなと思いますけれども、その裏に隠れた意図というのがどこにあるのか、未来永劫、再稼働ができないよという風な意図であると、それはまた我々の感覚とは多少違ってくることになるのですけど、その辺のことについて情報は何かあるか逆にお聞きしたいのですが。

 

松井委員長:今のこの文面だけですね、我々が把握しているのも。

 

猿橋巧委員:要請の中身を見てみますと、今中塚委員が言われたような内容になっておりまして、ストレステストをもって再稼働をというような現在の流れの中を批判しながら、国の安全政策の中身を見た後でというようなことも書いてありますし、特にその大阪、兵庫の議員を中心とした意見書でございまして、その周辺の人たちのですね、今回の事故を見てより身近なものになったと、福島原発での被害が東京でも出たというような、100キロ以上離れた地点であってもというようなことも含めて、ことさら住民に責任を持つ議員の皆さんは、住民の反応を見てですね、同様に100キロ前後のところにあります大飯原発や若狭地方の原発についてはことさら敏感になっておられることは容易に知り得ることでございますので、そういう中から、大阪を中心とした議員の皆さん方から出てきたというのは汲み取れることだと思います。ですから、無下に否決ということはなさらずにですね、中身を見てみましても、ストレステストを妥当とする評価をしないでほしいという文面になっておりますので、これは文面だけを見ながら対処するのが然るべきと私は思っておりますけども、いかがでしょうか。

 

小川委員:今回のこの要請書についてはこの通りだと思うのですけど、やはり福島の知見と言いますか、安全がしっかりと反映できる安全基準がまだ流動的である部分もあります。まあ、おおよそというのもあるかも分かりません。しかし、まだまだそうした安全基準の表示はできていないと思いますし、そういった諸々、多くの事案が流動的に変化はしているということもあるかと思います。今中塚議員が言われました一元化できた対応が今まだ全体的にできていないかなと思いもします。それから、この町が預かる原子炉の地域の、やはりまだまだ??道の整備とか、地震等々のしっかりとした表明が未だできているのとできていないのがあります。まだまだ事が流動的でありますので、将来的にはやはり変化を見て対応しなければならないと思いますが、今即そういうことを??する段階ではないのかなと思っているところであります。

 

浜上副委員長:皆さん似たような意見なんですけど、私も似たような意見なんですけど、福井県の方でも福島の知見を生かした暫定でもいいから安全基準をということで国の方にしつこくと言っていいほど粘り強く求めている訳なんですね。そこに住む人たちなんですよ。ですから、まあ100キロ圏越えても影響があると当然私らもそういうことを聞いてます。でもそれ以上に 瞬間的に被害を被るのは私たち立地の町の住民です。ましてや先程も言うように、話が前後して申し訳ないけども、(国は)ストレステストで評価をするとかなんとか言ってますけれども、知事またはうちの町長あたりも、やはり暫定基準とそれに対する安全対策というのを求めている訳ですから、それを以ってどういう風に判断するかということを検討するべきであって、今早急にこれをダメだという風に、要請の通りの採択をするというのは時期的に考えて、もう少し時間を待つ必要があるんじゃないかなと、もう少しいろんなものが出てきてからでも遅くはないんじゃないかなという風に思いまして、皆さんのおっしゃるように考えております。

 

松宮委員:皆さんのおっしゃっているように暫定的な基準も出てこない中で、再稼働云々ということは時期尚早だと思いますけれども、ここに書いてある文章を読ませて頂くと、例えば、国会での事故調というようなことが書いてありまして、事故調というのは実は2つ、私の知る限りではあります。内閣府の事故調と国会の事故調。この文章には内閣府の事故調の記述はありません。おそらく内閣府の事故調の方が早く結論が出るだろうという風に新聞等では書かれていますけど、その記述がありません。それから真ん中辺りから、この原発銀座若狭云々という記述があるんですけれども、この記述に関して私立地の人間として少し違和感を感じるところであります。従いまして、私この文章に強く違和感を感じるので、私としては同意致しかねるという風に思います。

 

猿橋啓一委員:今回の福島の事故ですね、この過酷事故っていうのは、再稼働を前提とした場合、こういうことは絶対あってはならないということが絶対条件だと思います。だから皆さんがおっしゃってますけども知見に基づいた安全基準が、保安院が30項目にまとめたものの中で早く出してくださいと言ってる訳です。それを見せてもらってですね、要するに、??的な電源とかいろいろ対策を打ってますけども、それを聞いた上で安全が保たれてますというところが最大限の再稼働の基準になると私は思います。だからそういうことを示されて地元も分かり、国が一元的に責任を持つと、もう絶対にあんなシビアアクシデントは起きないという保障がない限り、まあ日本だけじゃないですけど世界各国、原子力発電は全てそうでなければならないという一つの教訓を、まあ教訓というかそういう事象にあった訳ですから、人類の英知としてそういう安全基準を確立しなければ、再稼働はダメだと私は思ってます。だからその基準が出てからしっかり判断したい、そういう風に進めるべきだと思います。だから文面から言うと、これは1月30日づけの日付でございますけども、言ってることは同じような考え方だと思います。

 

猿橋巧委員:あのー、もっと根本的なことを言わないとと思っていたんですけど、再稼働云々という意見がたくさんありましたけれども、本日の原子力災害を招いた想定外という言葉がありました。福島は想定外ということがありました。暫定的な安全基準が出てそれでOKということなのかと、それは今までは安全基準があった中で事故が起きて想定外となっております。そういう中で、その想定外をいかにクリアできるかということでストレステストなるものが出てきて(保安院は)一時評価に基づいて再稼働云々と、しかし、安全委員会の斑目委員長がですね、二次評価が出て全般的な想定にクリアしなければならないというような意見が出てきた訳ですね。ですから国においても安全基準というのはどこにあるのかということが何の保障もなく、先が見えていないのが現実だと思いますけれども、原子力行政に関してですね。ですから、大飯原発3・4号機を動かすというようなことになればですね、全ての原発の再稼働に前例を付けて、なし崩し的に全ての日本全国の原発がストレステスト出して合格すれば動くという前提となるものに大飯原発がなるということでございますので、これはこの文面を見れば分かりますように関西の人たちは大飯だけを言ってるんじゃないんですね、若狭湾全体、日本全体の原子力発電所の再稼働については大飯がすると全国になし崩し的に進められるという危惧を持っておる訳です。先程言いましたように安全審査もないしストレステストの二次結果もない、それからそもそも原子力発電所というのが想定外のことに対応するものなのかという風なことがなんら技術的・科学的にも知見が示されていない中ということなので、この文面は再稼働云々ですけども、原子力に代わる、というようなものも頭にあるやに私は文面の中で取って個人的には原子力発電所については暫時期限を切ってですね、他のエネルギーに転換していくという立場に立っておりますけど、現時点ではそういうことはことさら言いませんけれども、現実的にはそういう流れにならざるを得ないという中でこの意見も出てきたのですから、私はその意を汲み取ってですね、大飯原発は現時点では再稼働についてはダメですよというようなことを何らかの表示をするというのがベストだと思うんです。この要望書を採択するということが一番早いですけども、そういうような趣旨のことを総合的に判断して再稼働は認められないという何らかの意志表示をすべきだと私は思ってますので、委員の皆さんもそこら辺を汲んで頂いて、再稼働を現時点で出さないという最大公約数でもってですね、何らかの意思表示をすべきだと思っております。それがこの意見書等を通過させるということになるかならんかは他の皆さんとの意見の調整もあろうかと思いますけども、そういうことを考えています。

 

中塚委員:まさにおっしゃる通りだと思うんですね、猿橋委員の。ただ、途中でありました、その大飯3・4号が、例えばですけど仮に稼働したとして全国の炉がなし崩し的にというのはちょっと見方が違うのかなと。細野大臣のおっしゃるように高経年化にしても個々のサイトごとあるいは炉ごとに判断をするというようなこともおっしゃってますし、女川(原発)が大丈夫で福島第一が事故を起こしたというようなことも含めてですね、立地条件等々のこともあるでしょうから、やっぱり個々に判断されるのがいいかと思うのでその点については異論を挟みますけども、しかしながら、現時点で再稼働をするしないというのは当然、今おっしゃる通りのことだと思います。それで、逆に聞きたいのですけど、趣旨についてはよく分かるので趣旨採択ということで猿橋委員はお考えなのか、あるいは継続的にどこかのタイミングがあればということでお考えなのか確認させてください。

 

松井委員長:この採決方法についての議論をさせて頂きたいと思います。今はこの案件について皆さんとしっかりと議論をして頂いて、それから申し訳ないですけど、私の方から採択をどうしましょうとお伺いを立てたいと思っておりますので。他にご意見ありませんか?この件につきましても大変微妙な中身の皆さんの一人一人のご意見を聞きましても、この文面そのものも解釈の仕方によってというようなこともあるやに思いますし、さっそくでございますが、今中塚委員が先におっしゃって頂いたんですけど、この陳情に対して当委員会としてはどのような判断を、取り扱いをしたらいいかということを皆さんに今度はご審議頂きたいと思うのですが。今すでに先にありましたので、猿橋委員さんにこの部分、趣旨採択にという想いなのかどうかと。

 

猿橋巧委員:先程言いましたように、再稼働はあり得ないという何らかのですね、意思表示を発するということになればですね、この文章については趣旨採択もやぶさかではないと。否決ということについては反対という立場に立ちますけども。現時点での最大公約数があればですね、それ(趣旨採択)はやぶさかではないと。

 

小川委員:いろいろ考え方あると思うんですけども、まだまだ十分な??されておりませんので、これから皆さんがどういう対応されるのかを含めて、私は??、まあ内容がどうあれ変化は今後つきまとうということでありますので。

 

松宮委員:先程も述べさせて頂いたように文書に違和感を感じるので、私は不採択とさせて頂きたいと思います。

 

中塚委員:猿橋委員に確認をさせて頂いたのですが、確かに現時点では安全がしっかりと国において担保されていないということから鑑みて、内容についてはその通りだと思いますので趣旨採択をしてはどうかなと思います。

 

猿橋巧委員:何回も言いますけど、趣旨採択に賛成で、本当は採択するという意見なんですけども、趣旨採択に移すならば、ということを改めて言わせて頂きます。3月議会中に何らかの意思表示をするというモットーで、趣旨採択という条件を出しただけのことでございますので、諸手を上げて趣旨採択ということではないということも汲んで頂きたいと思っております。私個人的にはいろいろ意見を持っておりますけども、委員会としての全員協議会の中でどういう議論になるか分かりませんけども、現時点では全員協議会の中ではこれは趣旨採択かと。

 

猿橋啓一委員:これは1月30日付の文書ですけど、認めることができませんという理由が、文書では知見が出るまではダメですよということですね。私が、皆さんが考えておられることだと思いますし、後、福島の分析とそこから得た教訓に基づく適切な安全対策が取られるまでダメですよということですから、要するに国が一元的にその知見に基づいた暫定安全基準30項目を見て、国の安全基準を見てそれを私どもが確認して判断させてもらった後で、安全が確保できているということで発電所は大丈夫だということが得られた段階が動くということですから、そういう文面からいきますと、日付は1月30日になっておりますけども、思うところは押さえておられますし、私も同じような考えですから、趣旨採択はいいと思います。

 

浜岡副委員長:皆さんおっしゃいますように文面から見ても私たちが主張するように、ともかく安全基準が示されて安全対策が取られるということが大前提であるということですから、私は趣旨採択に同意致します。

 

松井委員長:相対的に皆さんの意見を聞いて委員長がとやかく言うことではないかも知れないけど、文面を見て考えると、ややもすると解釈の仕方なんですが、私はこの文面を見ると未来永劫に再稼働についてはあきませんよと一刀両断のような感じはしないでもないんですが、皆さんいかがですか?

 

中塚委員:随分、行間までお読みになって、いや、そこまでは私は想定をしておりませんでしたので。よしんばですよ、そう言ったことが、意図的に含んでおられるんであればあれなんですが、この文面からはそこまでは図るべきもないなということを私は感じますし、更には内容的には意味としては分かるので、ですから採択ということではなくて、趣旨についてはよく分かりますという意味で趣旨採択にされるといいのではないかなという風に思った訳なんです。

 

松井委員長:皆さんに報告する時に、気持ちをしっかりと分かるようにしとかなければと思うのですが、いかがですか?

 

中塚委員:当然、本会議の時に審査経過並びに結果をご報告される時に、委員長報告において、その辺の安全担保であるとか、国の一元管理というようなことを踏まえながらご報告して頂ければ、その意図はよく分かって頂けると思うのですが、いかがですか?

 

松井委員長:じゃあ、皆さん一通りご意見も出たようでございますが、当然ながら、中塚委員が言われたようにこの文面??をして我々はという意味ではなしに、あくまでも再稼働を今現在の段階で我々は絶対にと、いやこっち側の方がという話ではないという意味を含めての内容的に趣旨採択というようなご意見が大半を占めるようでございますが、趣旨採択ということでよろしいですか?

 

全委員:異議なし

 

 

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コメント: 1
  • #1

    吉原芳一 (月曜日, 05 3月 2012 00:14)

    おおい町議会原特委の非公開理屈はむちゃくちゃですね。スナメリチャンネルさん、よくがんばっていただきました。

 

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