【重要】全国初で大飯原発再稼働？

原発立地地域の福井から電力消費地域の大阪に帰ってきました。

福井県の若狭湾には関西電力の11基の原発が乱立しており、原発銀座とも呼ばれています。これらの原発群は遠く半島の端っこに建てられています。

このうち大飯原発3・4号機をストレステスト後、全国初で再稼働させることを国や電力会社が検討していること、しかし、実際には問題が山積みだということは先の「原発どうする？分かれ道」で触れました。

では、この重大な決定を誰がするのか？ということが問題になります。

まず、誰に関係しているのかを考えたいと思います。 

今回の福島原発の事故で放射性物質が県境のみならず国境をも越えて広がったということは論を待ちません。大地と海が汚染され、多くのいのちが脅かされています。

例えば、福井県の大飯原発が福島原発のような事故を起こしたら、どうなるでしょう？

以下は「美浜の会」の橋本さんが作ってくれた図です。

（※この図は、福島原発事故による土壌汚染図を大飯原発を中心に重ね合わせたものですが、福島原発からの放射性物質は偏西風によりほとんどが海の方に流れたことから、これ以上の土壌汚染となることが予想されます。）

30㎞の範囲には京都府や滋賀県の北部も含まれます。 

この地域は住むことすらできなくなるかも知れません。

そして、関西1200万人の水瓶である琵琶湖が汚染され、関西圏に壊滅的な被害をもたらします。以下は、若狭の原発から30～50㎞の範囲を示したものです。

危険なものであるが故に関西には建てられず、莫大なお金をえさに福井県の過疎地に押し付けてきました。しかし、一度事故が起きれば、琵琶湖の水でつながる私たち関西人もまた、放射性物質から逃れることはできません。

そして、莫大なお金とは私たちの税金や電気料金であること、原発からの電気を使っているのは関西であることから、結論として、大飯原発の再稼働の是非は、少なくとも関西の人たち全員で決めるべきだと思います。

では、現実はどうなっているでしょうか？

現行の法律では、国が権限を一元的に担っています。

そして、法的権限はありませんが、関係自治体が電力会社と「原子力安全協定」を結んでおり、実質的には原発立地の市町村長と知事も権限を持っています。

（大飯）原発の再稼働に至るまでの大まかな流れは、電力会社が出したストレステストの結果を、経済産業省原子力安全・保安院、内閣府原子力安全委員会、国際原子力機関（IAEA）が評価、首相を含む4閣僚が判断、原発の立地自治体の首長（おおい町長）と知事（福井県知事）の了解により、実行ということになりそうです。

しかし、福島原発の事故を受けて、多くの自治体が見直しを求めています。

それも当然で、決定権はないのに、被害は受けるのです。

（国は避難などの防護対策を求める範囲を従来の８～１０㎞から３０㎞に拡大させました） 

福井県の準立地自治体だけでなく、京都府や滋賀県も関西電力等に立地自治体並みの「安全協定」の締結を求めています。

そして、福井県や関西の多くの自治体が原子力政策からの転換等を求める意見書を出しています。中でも注目すべきは、おおい町に隣接する準立地自治体である小浜市（大飯原発から10㎞圏内に半数以上の市民が在住）が議会で「原子力発電からの脱却を求める意見書」を全会一致で可決していることです。

今回、福井県と関西の市民団体は、少なくとも福島原発の事故の実態が明らかになるまでは再稼働は認めないよう、おおい町と小浜市に申し入れに行きました。

どちらも再稼働には慎重でした。これらの映像は必見です。ぜひ見て伝えてください！拙速な再稼働をさせないために！

前福島県知事・佐藤栄佐久さんが指摘するように、日本に民主主義はあるのでしょうか。 

原発を再稼働させるにあたり、当事者は誰でしょうか。

私たちは政治を任せ過ぎたのかも知れません。 

私たちの暮らしを決めるための政治は、いつしか私たちの手を離れ、経済を追い求めることに使われているように思えます。

暮らしの基本である食やエネルギーも効率を求めて、私たちから遠く離れていきます。

その最たるものが原発ではないでしょうか。私たちの暮らしは私たちの手によって決められるべきだと思います。

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